『この海に』 モーリアからの手紙

『この海』の読者からうれしい手紙をいただきました。
なんと、主人公のモーリアを舞台で演じたことがあるという内容。
富山市在住の萩原久美子さんからです。
(3月18日の「朝日新聞」の書評で本の存在を知ったとのこと)
萩原さんの許可のもと、内容を少し紹介します。
(萩原さんありがとうございます)

萩原さんがモーリアを演じたのは、1969年のこと。
萩原さんは、京都の劇団「くるみ座」の
毛利菊枝演劇研究所に所属しており、その卒業公演として、
『この海に』の原作「海に騎りゆく人々」を上演したそうです。

くるみ座は京都拠点の劇団で、1944年に毛利菊枝によって設立されました。
北村英三、中畑道子といった方が在籍し、
シェークスピア、ギリシャ悲劇、ベケットなどを
上演していたそうです。

「海に騎りゆく人々」の演出は、北村英三。
稽古は厳しかったようで、その様子を萩原さんの手紙から引用してみます。

《モーリアは、本当にしごかれました。
後半の独白「もう皆いってしまったよ」のセリフは
何度も夢に出て来るくらいでした。》

萩原さんは、1944年生まれ。
(1969年は、20代ですからずいぶん若いモーリアですね)
今も演劇が好きで、毎年ロシアにチェーホフ劇を見に行くほか、
何十本も芝居に出かけるのだとか。

冒頭のイラストは、萩原さんが描いてくれた上演時の舞台のようす。
上演してみよう、と考えている方は、ぜひ参考にしてください。

大塚

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